失ってから気づくもの

私は子供の頃、誰かが亡くなる物語や映画を観ても全く悲しくなりませんでした。
ところが自分の祖父を亡くしたとたんフィクションでわんわん泣けるようになりました。
自分で経験してない事ってピンとこないもんなんですよね。
一度経験するとフィクションでも自分と重ね合わせて思い出してしまうんです。
大切なものは失ってから気づく
とはよく言われています。
家族や友人もそうだけど、クローン病になって健康こそそうだなと思いました。
両親や祖父母、何かしら病気を持っていますが、
これも身近な人がなるのと自分がなるのとでは大きな違いでした。
どこかで「自分は大きな病気にならない」という根拠のない自信があったんですよね。
これはいったい何なんですかね?

あんなに普通にマクドナルドを食べまくっていたのに
あれだけ食べ放題の店で焼き肉を食べていたのに
たこ焼きなんか二人分食べてました

あれはもう幻で、二度と自分ができない体験なんだと考えるとやるせないです。
好きな食べ物は全部脂っぽいもの。
特にハンバーグは大好き、びっくりドンキーにもよく通っていました。
幼稚園の頃から通っていた洋食屋さんもあります。
それがもう幻なんですよ
酷すぎやしませんか

病気は残酷だ…
昨日までの普通がもう普通じゃない。
酒がもう飲めない。
皆が食べているものが食べられない。
子供も老人も食べているあの肉すら食べられない。

アレルギーの人の気持ちが初めて分かりました。


以前私はベジタリアンやヴィーガン向けの料理に対して違和感を感じていました。
「肉が食べたいのに無理して食べないなんておかしい」
「必死に肉に近づけた食品を作ってるけどそんなに食べたいなら肉食べればいいじゃん」
本気で思っていました。

自分がクローン病になって180度考えが変わりました。
だってベジタリアンやヴィーガンメニューが自分の救世主になるんですよ。
リアルな肉に近づけた料理を作っていた皆さん、申し訳ありませんでした。
是非食べさせてください…
ほんとに気づきませんでした。
そうです、アレルギーや病気で食べられない人だっているんですよね。
食べたいのに食べられない、そんな人たちの拠り所なわけですよ。
表面的な部分しか見ていなかった自分が浅はかでした。

そして今、まるで本物の肉!みたいな記事を見つけると必死に読みます。
それからその記事につくコメントを読んで悲しくなります。
「やせ我慢しないで本物の肉食えばいいだろwwwww」
かつての自分と同じ意見の人達、彼らは経験していないのでそう思うのも無理はありません。
自分が思っといて他人に思うなとは言えませんしね。

ただ色んな理由で色んなものを我慢している人達が沢山いることをもっと早く気づくべきだったと思います。

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